2026/02/26 09:22
今回の「絲と糸で過ごす、私の時間 アフタートーク」は、
糸魚川市青海地域で糀と味噌をつくる 渡辺糀店(わたなべこうじてん) の
渡邉友望(わたなべ ともみ)さんをお迎えしました。

店頭で味噌を手に取ったことがある方もいるかもしれません。
絲と糸では、渡辺糀店さんの味噌を仕入れさせていただき、
メニューに使ったり、販売もしています。
そして友望さんとは、店としての関わりだけではなく、
日々の会話のなかで自然と距離が近づいていきました。
普段は親しみを込めて、友望さんのことを「ともちゃん」と呼ばせてもらっています。
ともちゃんとは、絲と糸の創業初期からのお付き合い。
そして、発酵をテーマにした企画「みそといと」も、一緒につくってきました。
発酵とともに生きること。
新しい一歩を踏み出すこと。
そして、絲と糸が “生活の一部” になっていくこと。
そんなお話を伺いました。
当日の様子は映像が、近日、絲と糸YouTubeチャンネルにて公開予定。
ぜひ、チャンネル登録をしてお待ちください。
▽絲と糸YouTubeチャンネル
創業70年の糀屋、創業2年の絲と糸

ゲスト:渡邉友望さん(渡辺糀店)
今野:
まずは自己紹介をお願いします。
渡邉:
糸魚川市の青海地域で、味噌と糀をつくっている渡邉友望です。
普段は糀や味噌づくりに携わりながら、絲と糸でたまにお手伝いをさせてもらったり、「みそといと」というイベントを開催させていただいています。今日はよろしくお願いします。
今野:
「糀店」って、あまり聞き慣れない方もいるかもしれません。
渡辺糀店は、どんなお店なんですか?
渡邉:
糀って、発酵食品として健康に良いと言われることも多いんですが、
私たちの場合は、もともと青海地域の人たちが、毎年それぞれの家で味噌を仕込んで、一年かけて食べるという習慣があって。
その味噌をつくるための糀を、最初はうちが作って皆さんに届けていたんです。
だから「糀店」なんです。
今野:
最初は糀だけを作っていたんですね。
渡邉:
はい。最初は糀だけでした。
今野:
味噌を売り始めたのはいつ頃からですか?
渡邉:
だいたい70年くらい前からです。
創業70年とお伝えしているのも、その頃からになります。
今野:
70年でも十分すごいですけどね。絲と糸は2年なので…。
渡邉:
思うと長いですよね(笑)。
悩みの時期に踏み出した一歩

今野:
ともちゃんが渡辺糀店に本格的に関わり始めたのは?
渡邉:
2年くらい前です。
今野:
絲と糸と同じくらいのタイミングですね。
渡邉:
本当に同じタイミングです。だからこの2年は、いろいろありましたね。
今野:
人生の大転換というか、ターニングポイントみたいな。
渡邉:
そうですね。
出会ったのは3年くらい前で、その頃は別の仕事をしていました。
ちょうど継ぐかどうか悩んでいた時期に知り合って、すごくいい影響をいただきました。
今野:
どんな影響でした?
渡邉:
まず、今野さんたちが新しいことを始めようとしていたこと。
それが自分の気持ちと重なって、「私も何か始めてみよう」と思えました。
今野:
最初の一歩が、メニュー開発イベントでしたね。
渡邉:
はい。
「あれをやったから、新しいことでも割とできるんだな」って思えたんです。
何か始めるときのハードルが、自分の中でぐっと下がりました。
今野:
一人じゃなくて、一緒にできたことも大きかった?
渡邉:
それもあります。
家族で小規模に作っているので、まだ知られていない部分もあって。
一緒にできるのはすごく心強かったです。
「生活の一部」になった場所

今野:
ともちゃんにとって、絲と糸はどんな存在ですか?
渡邉:
もう、生活の一部に溶け込んじゃってます。
今野:
めっちゃいいですね、それ。
生活の一部って、どういう感覚ですか?
渡邉:
例えばスーパーに行くのと同じくらいの距離感というか…。
仕事で行くときもあるし、休みたいときも行くし、
今野さんと話したくて行くときもあります。
それが全部、絲と糸で集結してる感じです。
今野:
職場でもあり、友達の家みたいでもあり、一人時間の場所でもある。
渡邉:
そうです。
それまでどうやって暮らしてたかなって思うくらい、
糸魚川にいる時間が長くなりました。
以前は、のんびりしたいときは上越や富山に出かけていたんですけど、今はほとんど行かなくなりました。
行かなくても満足できるようになりました。
みそといと、という挑戦

今野:
「みそといと」は、いつからやり始めたんでしたっけ?
渡邉:
去年のお盆くらいからですね。
今野:
最初は朝ごはんイベントでした。あれは…大変でしたね。
渡邉:
大変でした(笑)。
ありがたいことにたくさんの方に来ていただいて、感謝しかないんですが、初めてだったこともあって…。
今野:
前日、夜中の3時まで仕込みして、翌日5時起きみたいな。
渡邉:
あのときは、ほぼ住んでましたね(笑)。
今野:
そこから回を重ねて、つい先日が第4回。バレンタインの味噌カヌレ。
渡邉:
はい。無事完売して、ありがたかったです。
今野:
回を重ねるごとに段取りが良くなってますよね。
渡邉:
少しずつ成長しています。
カフェインレスという選択

今野:
ともちゃん、いつもカフェインレスコーヒーですよね。
渡邉:
そうですね。リピートしまくってます。
カフェインを控えているので、あるのが本当にありがたくて。
今野:
眠れなくなっちゃうとか?
渡邉:
そうです。
でもコーヒーは好きなので、飲みたいときはカフェインレスです。
今野:
それも、絲と糸が生活の一部になっている理由のひとつ?
渡邉:
はい。
自分にとって「遠慮なく来られる場所」っていうのが大きいです。
お茶もカフェインレスって意外と少ないので。
これからやってみたいこと

今野:
またこういう機会があったら、次はどんな過ごし方をしてみたいですか?
渡邉:
もし仕事と無関係で来るなら、絵を描きたいです。
構想を練りに来たいですね。
今野:
考えごとをする場所として。
渡邉:
はい。
一人で過ごすのもいいし、友達と一緒に来て、何か作りたいねって話しながら過ごすのもいいなと思います。
今野:
インスタにイラストを投稿したい、という話もありましたよね。
渡邉:
そうです。
糸魚川の暮らしや風景を、イラストで表現したいなと思っています。
海を見に行ったときの絵とか、ここでコーヒーを飲んでいる時間とか。
風景イメージ図みたいな感じで。
今野:
ここで宣言して、実現に近づけると。
渡邉:
はい、がんばります(笑)。
編集後記(今野)

糀をつくること、味噌を仕込むこと。
そこには「時間をかけて育てる」という感覚があります。
ともちゃんの話を聞いていると、
発酵とは食の技術であると同時に、
暮らし方や生き方にも重なるものだと感じました。
「みそといと」も、回を重ねるごとに少しずつ形を変えながら、確かに育っています。
次はどんな発酵が生まれるのか。とても楽しみです。
※この日の様子は、絲と糸YouTubeチャンネルでも公開予定です。
映像もぜひご覧ください。
▽絲と糸YouTubeチャンネル

