2026/02/23 13:25

昨年、「一日図書館」のイベントを一緒につくった、
aeru・maの野口明子さん。

野口さんは“出会いがにじむ空間”をつくり続けています。

今回は、そんな野口さんに
実際に絲と糸で時間を過ごしていただきました。

新幹線で、たった一駅。

けれどその10分が、
日常の輪郭を、少しだけやわらかく変えてくれる。

時間を買うという選択。
風景を変えるという習慣。
本を開き、感性をほぐすという静かな営み。

“特別な場所”とは、遠くにあるものではなく、
ほんの少し、視点をずらすことなのかもしれません。

当日の様子は映像にも収めました。
近日、絲と糸YouTubeチャンネルにて公開予定です。

▽絲と糸YouTubeチャンネル

絲と糸で過ごす私の時間 アフタートーク

ゲスト:野口明子さん(一級建築士)


今野:
こんにちは。絲と糸店主の今野です。
始まりました「絲と糸で過ごす私の時間 アフタートーク」。
絲と糸で過ごしていただいた時間から、ゲストの方の暮らしや人生観について伺っていく番組です。

今回のゲストは、一級建築士の野口明子さんです。よろしくお願いします。

野口:
よろしくお願いします。

今野:
普段は「あこさん」と呼ばせてもらっているので、今日もあこさんと呼ばせてください。

野口:
はい、お願いします。


新幹線で来る理由

今野:
今回も絲と糸には新幹線で来ていただきましたよね。
上越から新幹線というのは、実は初めて聞いて驚いたんです。なぜ新幹線なんですか?

野口:
時間がタイトなときですね。
車だと40〜45分くらいかかるんですけど、新幹線だと10分ちょっとで着くので。

今野:
差額は400円ほどですよね。

野口:
はい。時間を買う感覚です。
それに、帰りにお酒を飲みたいときも車じゃないほうがいいので(笑)。

今野:
毎回新幹線というわけではないんですよね?

野口:
そうですね。
海沿いを走るローカル線を選ぶこともあります。
景色を見てリラックスしたいときは、あえてそちらを。

今野:
移動手段も、その日の目的で選んでいる。

野口:
そうですね。


糸魚川という“程よい距離”

今野:
糸魚川は、あこさんにとってどんな距離感ですか?

野口:
近いけれど、特別感がある場所ですね。
高田や妙高とは景色が違う。
山と海が近い空気感があって。

今野:
風景が変わることが大事。

野口:
はい。遠すぎないけれど、気持ちが切り替わる。
その“程よさ”がいいんです。


本を読むという選択

今野:
今回はクリームソーダとプリンアフォガードを選び、本を読んでいましたよね。

野口:
パソコンは毎日向き合っているので、
絲と糸ではあえて作業はしないんです。
私にとって特別な場所なので。

今野:
今回は写真集でしたね。

野口:
写真って、撮る人が瞬間を切り取っていますよね。
その意図を想像しながら、自分の中に落とし込む時間が好きなんです。

今野:
それは建築の仕事にもつながりますか?

野口:
直接的かどうかはわからないけれど、
どこかで必ず生きています。
実務はどうしても条件や規制に縛られるので、
感性をほぐす時間が必要なんです。

今野:
凝り固まった頭をほぐす。

野口:
そうですね。
学生の卒業設計を見ると、ハッとさせられることもあります。


本とまちと、にじむ空間

今野:
昨年の「一日図書館」も印象的でした。
本棚を外に出すあの形。

野口:
本があるとワクワクするんです。
入口に本棚があるだけで、空間の質が変わる。

今野:
店がまちににじみ出る感じがしました。

野口:
少しだけ空間をまちと共有するだけで、
距離がぐっと縮まるんです。
ウォーカブルなまちって、そういうことだと思っています。


もし次に過ごすなら

今野:
今後、絲と糸で別の過ごし方をするとしたら?

野口:
絵を描いたり、曲をつくったり。
普段家ではやらないことをしたいですね。

今野:
曲もつくるんですか?

野口:
趣味ですけど。
建築を見て浮かんだ音をメロディーにしたり。

今野:
特別な場所だからこそ、普段やらないことを。

野口:
そうなんです。


今野:
今日はありがとうございました。
また一駅分の時間の先で、続きを聞かせてください。

野口:
ありがとうございました。


編集後記(今野)

あこさんとの対話の中で、
何度も浮かんだのは「選ぶ」という姿勢でした。

移動手段を選ぶ。
風景を選ぶ。
過ごし方を選ぶ。

忙しさの中では流れてしまう時間も、
ほんの少し意識して“選ぶ”だけで質が変わる。

絲と糸も、
誰かにとっての「特別な場所」でありたい。

毎日通う場所ではないかもしれない。
けれど、来たときには、
普段やらないことをやってみたくなる。

本を開く。
絵を描く。
音を思い浮かべる。

まちと、日常と、自分自身のあいだに
やわらかな余白が生まれる場所でありたい。

当日の映像は、
近日、絲と糸YouTubeチャンネルにて公開予定です。
ぜひチャンネル登録をしてお待ちいただけたら嬉しいです。

また、一駅分の時間の先で。

▽絲と糸YouTubeチャンネル